九州三大麺どころ
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大陸と近い位置にある九州は、古来よりその文化を受け入れ、伝統や風習に取り込んできましたが、うどん、そば、素麺(そうめん)といった麺文化もその1つで、東シナ灘に浮かぶ対馬や五島列島では、大陸から伝来した当時の素材や、昔ながらの製法にこだわった麺料理が、観光客の舌を楽しませてくれます。
そのなかでも、素麺の三大産地とされているのが、長崎県の『島原』、佐賀県の『神埼』、福岡県の『浮羽』の3ヶ所で、一般的に“九州三大麺どころ”と呼称されています。
島原
穏やかな風土が育んだ豊かな小麦と、名水と誉れ高い湧水を有する島原は、16世紀ごろより素麺の生産が行われてきました。
島原の素麺は、延ばしと寝かしを繰り返して、麺を極細に引き延ばしていき、じっくりと熟成させることで、強いコシと滑らかな口あたりを実現させています。
近年では、ひねもの(1年以上寝かせた素麺)にしなくても、強いコシと小麦の香りが楽しめる、新しい熟成法が開発され注目を浴びています。
神埼
400年近い歴史を有する「そうめんの郷」として知られているほか、1883年(明治16年)に製麺機が発明された機械製麺発祥の地でもある神埼は、機械麺においては国内でも指折りの生産量を誇っています。
神埼の素麺は、独特のコシの強さがあり、温めて食べる「にゅうめん」が有名です。
素麺のほかにも、うどんやそば、ひやむぎ、中華麺など様々な麺が作られていて、近年では、赤米麺や赤米ラーメン、赤米パスタなど新しい麺も開発されています。
浮羽
浮羽の素麺は、江戸時代の治水工事により灌漑用水に恵まれ、米の裏作として麦の生産量が増えたことで、保存がきく乾麺を作ったことが始まりとされています。
寒暖の差が大きい気候は、麺の乾燥に適しており、また、豊富な地下水にも恵まれ、素麺のほか、うどんやそば、ひやむぎの生産が盛んとなりました。
現在では、製麺に携わる企業が市内に8社ほどあり、パスタやラーメンなど様々な麺類も生産されています。