四国三大狸
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人を騙す化け狸の話は日本各地で伝えられていますが、特に徳島県を中心とする四国地方には、池田町(現:三好市)の「傘差し狸」や、堀江村(現:鳴門市)の「赤殿中」、半田町(現:つるぎ町)の「坊主狸」、学島村(現:吉野川市の「小僧狸」など、怪異といえばタヌキといえるほど、多くの伝説が残されています。
そのなかでも“四国三大狸”と呼ばれているのが、『伊予の刑部狸(ぎょうぶだぬき)』、『阿波の金長狸(きんちょうだぬき)』、『屋島の太三郎狸(たさぶろうたぬき)』です。
伊予の刑部狸(ぎょうぶだぬき)
愛媛県松山市に伝わる『刑部狸(山口霊神)』は、「分福茶釜」、「証城寺の狸囃子」と並び、日本三大狸話の一つに数えられる、『松山騒動八百八狸物語』で良く知られています。
そのほか市内には、伊豫豆比古命(いよずひこのみこと)神社の古楠に住む「お紅さん狸」や、松山一の美女狸として信仰を集め、今も参拝する人が後を絶たない「お袖狸(八股榎大明神)」など、各地に伝説が残されているので、観光の際は是非立ち寄ってみてください。
阿波の金長狸(きんちょうだぬき)
徳島県民に親しまれている『金長狸(金長大明神)』は、四国に数ある狸の話の中でも特に有名な、『阿波狸合戦』の主人公として描かれています。
物語の成立時期は江戸末期とされており、明治時代から戦中にかけては講談、昭和初期には映画化もされ人気を博しました。
1939年(昭和14年)、映画の大ヒットの礼の意を込めて、日峰山の山中に金長神社が建立され、徳島ばかりか関西方面からも参拝者が訪れており、平成以降においても参拝者が後を絶たないそうです。
屋島の太三郎狸(たさぶろうだぬき)
四国八十八箇所霊場の第84番札所である、香川県高松市の屋島寺を守護する『太三郎狸』は、佐渡の「団三郎狸」、淡路の「芝右衛門狸」とともに、“日本三名狸”に数えられており、平成狸合戦ぽんぽこの「太三朗禿狸」のモデルとなったことでも知られています。
矢傷で死にかけたところを平重盛に助けられた恩義から、平家の守護を誓ったタヌキの子孫が太三郎狸とされ、鎌倉時代から日清・日露戦争にいたるまで、様々な伝説を残しています。